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  • 執筆者の写真compactagri

甘くておいしい万能野菜!玉ねぎの栽培

更新日:2021年8月23日


常備野菜の定番「玉ねぎ」。煮込んで、炒めて、揚げて、生で食べて…。メインにも隠し味にもなるお料理に欠かせない万能野菜ですね!玉ねぎの原産は中央アジアでユリ科ネギ属。刺激成分が多めで辛みのある東ヨーロッパ系の玉ねぎと刺激成分が弱く甘味のある南ヨーロッパ系の玉ねぎと2分されます。表皮の色は黄色、白色、白色の3種類あり、赤色系は甘味が強く生のまま食べるのにおすすめです。日本で一年を通して多く食べられている玉ねぎは東ヨーロッパ系の表皮が黄色い辛みのある玉ねぎで、春〜初夏に出回る新玉ねぎは表皮が白色系の生食にも向いた甘味のある玉ねぎです。玉ねぎは冬越しで栽培します。耐寒性が強いため、11月中旬に定植すれば特別な寒さ対策など必要なく栽培可能。初心者の方にも比較的簡単です。但し、早く定植し過ぎて大苗で越冬時期を迎えると、トウ立ちが多くなります。種まきや定植時期をしっかり押さえて栽培する事が重要です!収穫後は上手に干して貯蔵すれば長い期間食べられます。いつもは購入している玉ねぎを自分で作って見るのも楽しいですよ。今回は美味しい常備野菜「玉ねぎ」の栽培についてご紹介していきます。


玉ねぎの栄養価

タマネギにはカルシウム、リン、鉄、ミネラル、ビタミンB1・B2が含まれていて栄養価の高い野菜です。また玉ねぎ特有の栄養価「硫化アリル」と「ケルセチン」にも注目です。


◉硫化アリル

硫化アリルはユリ科植物に含まれる特有の成分で、玉ねぎのニオイや辛味はここからきています。玉ねぎを切った時に涙が出るのはその為ですね。硫化アリルには血液をサラサラにする効果があります。また、交感神経を刺激し、体温上昇の効果も期待できます。


◉ケルセチン

ケルセチンはポリフェノールの一種です。皮の近くに含まれている色素成分で抗酸化作用があります。また、表皮が赤色系の紫玉ねぎや赤玉ねぎには「アントシアニン」というポリフェノール色素が含まれていて、こちらの色素成分も抗酸化作用があります。


玉ねぎの栽培適期(種まき〜定植〜収穫まで)

玉ねぎは冷涼な気温を好み、寒さに強い野菜です。種まきの適期は涼しい気候になってきた9月中旬頃から。苗を購入して定植する場合は11月中旬頃から行います。品種にもよりますが種播きから7〜6ヶ月程で収穫時期を迎えます。発芽適温20℃前後、生育適温は15〜20℃です。


◉種まき

早生種:9月中旬

中生種:9月下旬〜10月上旬

中晩生種:9月下旬〜10月上旬

◉定植

早生種:11月上旬〜11月中旬

中生種:11月下旬〜1月下旬

中晩生種:11月下旬〜12月中旬

◉収穫

早生種:4月上旬〜5月上旬

中生種:5月中旬〜6月中旬

中晩生種:5月中旬〜6月中旬


玉ねぎの栽培方法(苗の定植〜)

◉土作り

玉ねぎは酸性土壌に弱く、弱酸性〜中性の土壌を好みます。種まきや苗の定植前にしっかりと土作りをしましょう。種まきもしくは定植の2週間以上前までに苦土石灰を、1週間前に堆肥と肥料をまいて深めに耕します。玉ねぎはリン酸を多く含む肥料を与えると良い玉が取れます。骨粉などリン酸を多く含む肥料を選ぶと良いでしょう。

※1㎡あたりの施肥量目安

 苦土石灰150g、堆肥3kg、肥料100g


◉畝作り

玉ねぎは株間を12〜15㎝確保して栽培します。おすすめの畝幅は75㎝で、この畝幅であれば必要な株間を確保しつつ4条(4筋)で栽培出来ます。畝の高さは10㎝が目安です。ビニールマルチを張る場合、穴の直径は5㎝を目安に作って下さい。


◉苗の定植

たまねぎは浅めに植え付けるのがポイントです。土に棒などで穴をあけ、苗の白い部分が半分くらい見える程度で定植します。その後はたっぷりと水やりをします。自分で育苗する場合は、茎の太さ5〜7㎜、草丈20㎝程度、葉が3〜4枚、白い茎が真っ直ぐ伸びている、という点を目安に選んで下さい。

※注意

玉ねぎは定植のタイミングが大事です。定植のタイミングが遅れると、苗がしっかりと根付く前に寒さに負けて枯れてしまいます。逆に早く定植すると春先にトウ立ちが多くなり、良い玉が育たなくなります。


◉定植後の栽培管理

【追肥】

定植後は2回追肥します。1回目は定植から25日後、2回目は苗が伸び出す3月上旬(関東)です。ビニールマルチを張っている場合は穴にまいていきます。マルチを張っていない場合は畝全体にまき、スコップなどで土と肥料を混ぜながら株元に寄せていきます。


【防寒対策】

ビニールマルチを張っていない場合、本格的に寒くなる12月頃にもみ殻や藁を株元に被せて寒さ対策をしましょう。また、まだ根張りが浅い頃に霜柱が立つと、根が一緒に浮いてしまいます。そのままでは枯れてしまうので、手で押さえて土と密着させてあげます。


【雑草対策】

玉ねぎは雑草が増えると生育が悪くなるので、周りに生えてきた雑草はこまめに抜くようにしましょう。


【ねぎ坊主の摘花】

玉ねぎは収穫期前にトウ立ちし、ねぎ坊主が出来てしまうことがあります。そのままにしておくと玉ねぎの中心が固くなり食べられなくなる為、ねぎ坊主が出てきてしまったらすぐに摘み取りましょう。肥料不足だとトウ立ちしやすくなるとも言われているので、もしもねぎ坊主がたくさん出来てしまうようであれば、追肥の回数を増やすと良いでしょう。


◉収穫

品種により異なりますが、早生種であれば4月中旬頃から、中晩生種であれば5月中旬頃から収穫期を迎えます。見た目の目安は、玉がしっかり大きくなり、葉が株元から自然に倒れている事。葉が枯れるまで玉は成長し続けるので、葉が完全に枯れてしまう前に収穫しましょう。株元を掴んで真上に引き抜けば簡単に収穫できます。固いようであれば周りの土をスコップで軽くほぐしてあげればすぐに抜けます。


◉貯蔵

収穫後は雨の当たらない場所で、新聞紙やゴザの上に並べて2~3日乾かします。その後は葉がついたまま何株かを紐で束ねて吊るすか、葉を切り落としてしまい風通しの良い麻袋や木箱などに入れて貯蔵します。風通しの良い場所で保管して下さい。



今回は玉ねぎの苗を定植して栽培する方法をご紹介しました。種から自分で育苗することも可能ですが、玉ねぎの苗はホームセンターや通販などで簡単に入手できて値段もさほど高くありません。失敗が心配な方や簡単にスタートしたい方には、苗を購入することをおすすめします!種から育苗したい方のために次回は種まき〜育苗についてもご紹介したいと思います。美味しい万能野菜の玉ねぎをぜひ栽培してみて下さいね。










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