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  • 執筆者の写真compactagri

液体肥料ってどんなモノ?その役割と使い方

更新日:2021年8月23日


野菜栽培に必要な肥料ですが、種類は色々あり、それぞれに効果や役割も違ってきます。肥料で得たい効果に合わせて、適切な肥料を選ぶ事が大切になってきます。今回は「液体肥料(液肥)」について、その役割や効果、使い方などをご紹介していきます。


肥料とは…

「肥料は野菜を元気に育てるサポートをしてくれるもの」。肥料についての理解は、ざっくりとこんなイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか。肥料は植物を生育させていくために必要な栄養分の事で、その主たる成分は窒素(N)、リン酸(P)、カリウム(K)の3要素です。そこにカルシウムとマグネシウムの栄養分を加えると、5大要素を含む肥料となります。各要素の効果については以下の通りです。


◉窒素(N)

植物の葉や茎を大きく生育させる作用があり、「葉肥え」とも言われます。植物の生育に欠かせない要素です。


◉リン酸(P)

花や実のつきをよくする要素で、「花肥え」「実肥え」とも言われます。花や実のつきが悪い場合はリン酸不足を疑い、補ってあげると改善する場合があります。


◉カリウム(K)

根や茎が丈夫に生育することを助けてくれる要素で、「根肥え」とも言われます。根や茎が丈夫に生育すれば、耐寒性と耐病性が身につき、病気に悩まされる事も少なくなります。


◉カルシウム(Ca)

健康な細胞を作り、根の成長を促進する要素です。


◉マグネシウム(Mg)

葉緑素の形成を助けて光合成を促進する要素です。


肥料の種類

肥料は大きく分けて、「有機質肥料」「無機質肥料」の2種類です。それぞれの成分や特徴などは以下の通りです。

◉有機質肥料

動物や植物など原料が天然由来のもので、窒素、リン酸、カリウムの3大要素がバランスよく含まれています。土の中で微生物に分解されながらゆっくりと植物に吸収されていくため、効果はゆっくりと持続していく事が特徴。元肥として使用される事がも多い肥料です。


◉無機質肥料

無機質から化学合成された化成肥料の事で、自然界の鉱物から生成されています。水に溶けるため根が吸収しやすく、即効性のある点が特徴です。即効性があるので追肥として使われる事の多い肥料です。


液体肥料(液肥)を使うのはどんな時?

一般的に肥料というと、固形肥料をイメージされる方が多いと思います。では、液肥を使うのはどんな時でしょうか?液肥とはその名の通り液状になった肥料で、一般的には濃縮されているので水で薄めて使う事がほとんどです。追肥で用いる事の多い液肥ですが、中でも下記の3つのシーンでよく使用します。


①マルチ栽培をしている場合の追肥

畝にビニールマルチを張って栽培している場合、固形肥料を株元の土に混ぜ込むのは大変な手間と時間がかかります。そんな時、液肥であれば普段の水やりと一緒に与える事ができます。マルチの穴から土へと、水分と一緒に栄養分がサッと吸収されるため、とても簡単で便利です。

②葉に直接散布する場合

根が弱っている時やより速く肥料の効果を出したい時、液肥を葉面に直接散布するのが効果的です。薄めた液肥を霧吹きなどで葉の表と裏の両面に噴霧します。呼吸や光合成をするための「気孔」という穴から栄養分が吸収され、即効性があるのです。直接散布する際の液肥の希釈は、規定よりも薄めた方が安全です

③水耕栽培の肥料

水耕栽培は水を利用して植物の栽培を行いますが、水に栄養分を与えないと植物は大きく生育しません。固形肥料は使えないため、液肥を用いて栄養分を補給していきます。


液肥のメリットとデメリット

即効性があり使い方も簡単な液肥。メリットとデメリットのそれぞれを整理します。


◉液肥のメリット

①とにかく即効性が高い!肥料の中で一番の即効性

化成肥料は元々即効性の高い肥料ですが、液肥はさらに高い即効性があります。植物にいち早く栄養を届けたい時、速い効果が期待出来る肥料です。固形肥料の場合は土に混ぜた後、土の水分に肥料が溶け出して根に届きます。一方で液肥の場合、既に栄養分が水分に溶け出しているため、いち早く根から吸収されるのです。

②肥料の与え過ぎ防止が出来る

液肥は固形肥料と違い、その場にとどまるわけではなく流動的に流れていきます。野菜栽培を始めて間もない頃は肥料の量がわからず、与え過ぎてしまう事も多いものです。液肥の場合は与えすぎたと感じた場合、上から水やりをすれば薄まるので初心者の方も安心です。

③根から栄養分を吸収しづらい時にも使える

冬は地温が下がって根の活動が鈍くなり、根から栄養分を吸収しづらくなります。そんな時も葉に直接散布出来る液肥であれば、植物に栄養を与える事が可能です。根が傷んでいる場合、まだ根が発達していない場合なども液肥を葉面散布する事で、植物に必要な栄養を与えられます。


◉液肥のデメリット

それほどデメリットは多くありませんが、即効性があるものの、効果が長続きしないという点がデメリットです。液肥を与える場合は固形肥料よりも与える頻度高くなります。



以上、液肥の使い方やタイミング、メリットとデメリットなどをご紹介しました。即効性が高い反面、その効果が持続しない液肥は、主に追肥として利用される事が多い肥料です。とても使いやすく、効果が出やすく、失敗もしづらい肥料なので、家庭菜園初心者の方におすすめしたい肥料です。肥料を上手に使って、野菜栽培をより楽しいものにして下さいね。



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