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  • 執筆者の写真compactagri

初心者の方にもわかりやすい!肥料の種類や使い方まとめ

更新日:2021年6月17日


野菜の栽培が全く未経験の方でも、植物を育てるには「肥料」が必要!という事は大体ご存知ですよね。家庭菜園をスタートするときに色々調べていると、必ず「肥料」というワードが出てきます。肥料は与えれば良いというわけでなく、与え過ぎで栽培が上手くいかない場合もあります。種類も色々あり、使い方や使うタイミングも様々です。今回は初心者の方にもわかりやすく肥料についてご紹介していきます。


なぜ肥料は必要なのか?肥料の役割について

植物を育てるのにどうして肥料が必要なのでしょうか?植物の生育には光、水、そして養分が必要になります。通常、植物は土壌から必要な養分を吸収して生育していきます。肥沃な土地であれば肥料が無くてもある程度は生育しますが、栽培を繰り返している土地などは土がやせていて、そのままの状態では植物が元気に育ちません。元気で健康な植物が育つ土を作るために、肥料を与え不足した養分を補うことが必要になるのです。

肥料には大きく分けて3要素の成分が含まれます。「窒素(N)」「リン酸(P)」「カリウム(K)」ですが、各成分の役割は以下の通りです。

◉窒素(N)

植物にとって大量に必要な要素で、葉や茎を大きく生育させる作用があります。植物を大きくするのに欠かせない要素です。窒素が不足すると葉の色が黄色くなったり、枯れてしまう場合があります。また茎の生育も悪くなり、植物は大きく成長する事が出来なくなってしまいます。

◉リン酸(P)

花や実のつきをよくする要素です。リン酸が充分足りていれば、質の高い花や実を豊富に得られます。花や実のつきが悪い場合はリン酸不足を疑い、補ってあげると改善する場合があります。

◉カリウム(K)

根や茎が丈夫に生育することを助けてくれる大事な要素です。根や茎が丈夫に生育すれば、耐寒性と耐病性が身につき、病気に悩まされる事も少なくなります。


この3大要素以外にも、健康な細胞を作り根の成長を促進する「カルシウム(Ca)」、葉緑素の形成を助ける「マグネシウム(Mg)」が肥料の成分としては重要で、この2要素を加えて肥料の5大要素とも言います。


元肥と追肥とは?

肥料は使うタイミングによって「元肥(もとごえ)」「追肥(ついひ)」と言い方が変わり、使い方も異なってきます。

◉元肥(もとごえ)

種まきや苗の定植をする前に土に混ぜ込む肥料の事です。肥料の3大要素「窒素」「リン酸」「カリウム」をしっかり土壌に補給し、植物が元気に健康に生育するための土台を作ります。元肥には葉を大きく健康に育てる窒素が多く含まれることが大切です。また、植物が元気に生育し続ける作用も必要なので、ゆっくりと効果が現れてくる有機肥料の使用がおすすめです。使用方法は種まきや苗の定植1週間前までに土壌全体にまき、耕しながら土とよく混ぜ合わせます。肥料の与え過ぎや苗の根に直接肥料が触れると、根を傷めてしまう事もあるため容量などは確かめながら正しく使用しましょう。

◉追肥(ついひ)

植物の成長に合わせて与える肥料の事です。元肥の効果は時間経過とともに薄れていき、植物の成長に伴って土は肥料不足となっていきます。そこで、追肥をして土の養分不足を補っていきます。追肥は即効性が求められるため、無機質肥料や液肥などを使うのが一般的です。追肥は作物が養分を吸収しやすいよう、根の先近くに与えます。作物から伸びた葉の真下あたりに根の先があるので、その辺りを目安に与えると良いでしょう。作物によっては栽培期間が短く追肥が必要ないもの、逆に定期的に追肥が必要なものなどがありますので、栽培方法を調べて正しいタイミングで追肥をしていきましょう。


肥料の種類イロイロ

肥料の種類は色々ありますが、大きく分けて有機質肥料と無機質肥料の2種類です。それぞれの成分や特徴などは以下の通りです。

◉有機質肥料

有機質肥料とは天然由来のもので、その原料は魚粉や動物の排泄物、植物などです。有機質肥料には窒素、リン酸、カリウムの3大要素がバランスよく含まれています。土の中で微生物に分解されながらゆっくりと植物に吸収されていくため効果は緩やか。元肥として使用される事も多い肥料です。よく使われる原料と効果は以下を参照して下さい。

⚫︎魚粉

 魚を乾燥して骨ごと砕いたもの。窒素、リン酸が多く含まれる。

⚫︎油かす

 植物油を絞った後のかす。窒素肥料。

⚫︎鶏糞

 鶏の糞を原料としたもの。3大要素がバランスよく含まれ、即効性あり。

⚫︎骨粉

 動物の骨を粉砕したもの。リン酸肥料。

⚫︎草木灰

 草木を焼いた灰。カリウムが多く含まれ、即効性あり。


◉無機質肥料

無機質から化学合成された化成肥料の事です。無機質肥料は有機質肥料と比べて即効性がああり、ニオイが気にならない点が長所です。有機質肥料は原料によってニオイが強いものもあり、住宅が多い場所などでの使用は注意が必要ですが、無機質肥料はそのような心配はあまり必要ありません。化成肥料と聞くと「化学的物質で体に悪そう…」というイメージを持つ方もいるかもしれませんが、無機質肥料は自然界の鉱物から生成されているので健康被害の心配もありません。化成肥料で代表的なものは以下の通りです。

⚫︎硫安・尿素

窒素を多く含み、即効性あり。

⚫︎過リン酸石灰

リン酸を多く含み、即効性あり。

⚫︎硫酸カリウム

カリウムを多く含み、即効性あり。


上記3つの肥料をバランス良く混ぜた「複合肥料」が野菜の肥料として何種類も販売されています。初心者の方は、まずはわかりやすく便利な「複合肥料」から利用する事をおすすめします。慣れてきたら作物の生育状況などに合わせて、その効果に特化した肥料を選んで見るのも良いですね。



家庭菜園で使う肥料について、初心者の方にもわかりやすく紹介させて頂きました。ホームセンターの家庭菜園コーナーでは、とても多くの種類の肥料が販売されています。バランス良く成分が配合された万能タイプのものから、ある作物だけに特化したものなど様々です。肥料の基本的な知識が無いまま選ぶと迷ってしまい、必要ないものまで買ってしまう事もありますよね。ぜひ今回ご紹介した内容を参考にしてみて下さいね。

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