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  • 執筆者の写真compactagri

マルチング栽培で美味しい野菜を育てよう!種類や効果について

更新日:2021年8月23日


家庭菜園を始めた方なら「マルチング」という言葉は、必ず一度は耳にした事があるのではないでしょうか。マルチングと言えば「畑の土をビニールで覆って栽培する事」と、何となくご存知かとは思いますが、その効果やデメリットなどを具体的にご存知の方は少ないのではないでしょうか。マルチングと言っても種類はとても豊富で、素材はビニールだけでなく天然素材で出来たものもあり、メリットもたくさんあります。今回はマルチングの目的や効果、方法、注意点などをご紹介していきます。これからマルチングにチャレンジしていきたい方は是非参考にしてみて下さいね。

マルチングとは?

マルチングとは、栽培する植物の株元をマルチ(ビニールや藁、腐葉土など素材は様々)で覆うことにより、土壌の乾燥や地温の上昇、雑草や病害虫の発生を防ぐことです。後述しますが、マルチの種類は様々です。古くは藁や刈り草などをマルチとして利用していましたが、現在はビニール素材のマルチや自然素材で出来たマルチなど様々な種類が販売されています。


マルチングの効果と目的

マルチングには色々な効果があります。マルチングする手間はかかるものの、大きなメリットを得られます。

◉土壌の乾燥を防ぐ

マルチングをすることで、土壌の水分蒸発を防いで適度な水分が保たれます。特に高温になる夏場は、すぐに土が乾燥してしまうためマルチングが効果的です。乾燥を好む作物の場合は逆効果になるので注意しましょう。

◉土壌を雨から守る

雨は作物にとって大変重要なものではあるものの、泥はねや用土の流出などの弊害もあります。泥はねで土壌の病原菌が茎や葉に付着し、病気が広がる場合があったり、強い雨が降ると大事な用土が流出したりします。マルチングをすることで、これらを防ぐ事が出来ます。

◉雑草の繁殖を防ぐ

雑草は栽培中の作物から大切な養分や生育スペースを奪ったり、日光を遮ってしまう事があります。マルチングをすることで光を遮断し、雑草の繁殖を防げます。雑草対策でマルチングをする場合は、光を遮断する黒のビニールマルチがおすすめです。

◉害虫から作物を守る

外からやってくる害虫の侵入にも効果があります。

◉土壌の温度変化を防ぐ

急激な温度上昇や低下などの地温変化は、作物にとって大変負担が大きいものです。マルチングにより、地温をある程度保つ事が出来ます。地温を保ってあげることで、作物が気温の変化から受けるダメージをやわらげてあげましょう。特に冬の寒い季節は、冷気から土を保護して根を守ってくれる効果が期待出来ます。


マルチングのデメリット

とてもメリットが多いマルチングですが、デメリットはあるのでしょうか?あるとすれば、株元を覆っているので追肥がしづらい、土の状態が確認出来ない、という点です。追肥については固形肥料での追肥はしづらい為、液肥で追肥すると楽に済みます。また、栽培中の作物に元気がない時は土の確認をしたいものです。その場合は、多少の手間はかかるもののマルチを剥がして確認するようにしましょう。


マルチングの種類

マルチングの資材には色々な種類があり、ビニール素材のものと天然素材のものがあります。効果も色々です。栽培する作物の種類や得たい効果によって使い分けていきましょう。


◉ビニール素材のマルチ

・黒ビニール

光を遮断する為、雑草の繁殖を防ぎたい場合におすすめです。また、保温効果もあります。

・白ビニール

地温の上昇を抑える効果があります。

・シルバービニール

太陽の光を反射する為、害虫の飛来を防止出来ます。また、黒ビニールと違い地温が上昇しすぎがない為、夏場の使用におすすめです。

・透明ビニール

土壌の温度を保つ効果があり、春先の地温を上げたい時に使用すると効果的です。夏場に使用すると地温が上がり過ぎてしまうので注意しましょう。透明なので雑草を防ぐ効果はありません。また、土壌の太陽熱消毒に使用出来ます。


◉天然素材

・わら

昔から使われてきた、野菜栽培にはなくてはならないマルチングの方法です。株元にわらを敷いて使います。寒い冬の防寒対策、真夏の地温上昇対策、土壌の乾燥防止になります。また、泥はねも防ぎ病気の予防にもなります。ゆくゆくは腐食して、堆肥として土に戻っていきます。


・腐葉土

土に残らず、ゆくゆく土へと分解されて土壌改良にも役立つ環境に優しいマルチング資材です。わらと同じような効果があり、寒い冬の防寒対策、真夏の地温上昇対策になります。また、土壌の乾燥も防ぎます。畑での使用だけでなく、プランター栽培にも気軽に利用できます。プランター栽培は水分蒸発しやすい為、表面を腐葉土で覆うだけで、保水効果が期待出来ます。


・バーク

樹皮が素材となったマルチング資材です。土壌の温度を保つ効果や雑草の繁殖を抑える効果、泥はね予防などの効果があります。こちらも土に残らない、環境に優しいマルチング資材です。


マルチングの方法

◉天然素材の場合

天然素材を使用する場合は、畝や株元をマルチング資材で覆うだけです。


◉ビニール素材の場合

①畝幅に合わせたサイズのビニールマルチを準備。

②畝の一番端にビニールマルチを合わせ、土を盛ったり園芸用固定ピンなどでビニールマルチの端を固定。ビニールマルチを反対側の端までコロコロと転がしながら畝を覆っていく。

③最後まで覆ったら、ハサミでカットし土を盛るか園芸用固定ピンで押さえる。

④ビニールマルチの全辺を土を盛りながら固定していく。この時、マルチがたるまずピンと張った状態になるように気を付ける。

⑤穴あきマルチを使用した場合はこれで完成。穴あきでない場合は、穴あき器やハサミを使い、苗の間隔に合わせて穴を開けていく。


マルチング後の栽培管理や注意点

◉水やり

マルチングにより土壌の保水性が高くなり、水やりの回数は減らせます。夏場はマルチングの穴から土の状況を確認し、乾燥していそうなら穴を目がけて水やりをしていきます。冬場はマルチングをしていれば、水やりの必要はほとんどなくなります。水のやり過ぎは根を腐らせる原因になるので、気をつけましょう。


◉肥料

マルチングを行うと追肥がしにくくなりますので、マルチングを行う前に元肥をしっかり入れて耕しておきましょう。追肥をする場合は液肥を使うと、手間がかからずおすすめです。


◉注意点

・マルチングは雨上がりなどがおすすめです。土壌が水分をしっかり吸収している時に行いましょう。

・マルチング栽培を長年行っている土壌は有機物の分解が進んでいる為、堆肥や有機肥料を多く入れこみ有機物を補充しましょう。

・マルチングの効果をしっかり発揮させる為に、マルチは土にぴったりと張りましょう。



マルチング栽培は多少の手間はかかるものの、たくさんのメリットがある栽培方法です。美味しい野菜栽培を成功させる為に、ぜひ取り入れてみて下さい!


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