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  • 執筆者の写真compactagri

水耕栽培で困る藻の対策方法

更新日:2021年8月23日


気軽に始められるため、ここ最近とても人気な水耕栽培。天候や気温に左右されず、土を耕す必要もなく、省スペースで出来るのも魅力です。しかし…水耕栽培で必ず悩まされるのがそのものは病原菌ではなく悪いものではありませんが、大量に増殖することによって野菜の生育に悪影響を及ぼしていきます。水耕栽培ではの対策をしっかり行っていくことがとても重要になってきます。



「藻」「藻類/そうるい」とはナニ?

Wikipediaには「藻類とは酸素発生型光合成を行う生物のうち、主に地上に生息するコケ植物、シダ植物、種子植物を除いたものの総称」とあります。「藻」「藻類」と聞くと、池や沼などにふやふやと浮かぶドロっとした緑色の生物を思い浮かべる方が多いかとは思いますが、実はとても幅広くいろいろな種類がいます。顕微鏡で確認しないと見えないミカズキモや健康食品で有名なクロレラ、阿寒湖に生息する丸くてかわいいマリモ、私たちが普段よく食べるワカメや昆布なども全部「藻類」です。


が発生する原因は?

ズバリ栄養と光が原因です。は「酸素発生型光合成」を行う生物。要するに光合成で増えていくので、栄養と光さえあれば発生・増殖していきます。水耕栽培は野菜を生育させるための培養液を使い、光を当てて育てるための発生にも最適な環境ということになります。光と栄養をカットすればの発生は抑えられますが、栄養も光も野菜のためには必要不可欠。ということで、水耕栽培にはつきもの…なのです。

が発生するとどうなる?デメリットは?

濃い緑の藻あまり見た目もよくないですよね。前段でも書きましたが自体は害のあるものではありません。でも大量発生することにより、野菜の生育にも悪影響を及ぼします。の影響は下記の3点です。


①培養液の栄養が低下する

が成長に伴い培養液をどんどん吸収してしまい、本来育てたい野菜に十分な栄養が行きわたらなくなり、野菜の生育不良につながります。

②植物の栄養吸収を阻害する

の大量発生に伴い粘液質のドロっとしたが野菜の根に付着し、栄養と酸素の吸収を阻害してしまい、野菜の生育不良につながります。


②培養液の成分バランスが崩れる

の大量発生に伴い大切な培養液の成分バランスが崩れてしまうことがあります。成分バランスとはアルカリ性と酸性のバランスでpH値で表します。野菜の種類ごとに最適なpH値は様々ですが、中性から弱酸性を好む野菜が多く、どちらに傾きすぎても野菜によくない影響を与えます。アルカリ性に傾くとマグネシウムや鉄などの吸収がしづらくなり生育不良、病気の影響が心配になります。酸性に傾くと根が傷み、養分の吸収に影響してきます。


の対策は必須!対策方法は?

・光と栄養が必要な水耕栽培にはつきもの

は放っておくと大量発生する

・大量発生は野菜の生育に悪影響


という事で、水耕栽培ではの対策が必須!下記の2つをやるだけで効果があります。


①培養液をキレイに保つ

こまめに培養液を新しくし、発生したを取り除き、新しいの発生を抑えていきましょう。また、培養液を定期的に新しくすることで、崩れがちなpH値も一定に保つことができます。


②光の遮断

野菜の生育にとっても光は必要なので完全な遮断はできませんが、部分的に遮光することは可能です。培養液を入れている容器が透明であればアルミ箔などで覆う光があたる培地の部分だけアルミ箔で覆うこれだけでも確実にの発生は抑えられます。


発生してしまった。。栽培途中でも対策はできるのか?やってみました。

本来であればの対策は種まき段階からしっかり行うべきなのですが、今回栽培している分は最初の対策をサボってしまいました。そのためスグにが発生…今回は放置して早めに収穫しちゃおう!と思っていましたが、全然発育しないのです…。やはりが原因です。という事で、栽培途中で野菜に負担がかかってしまうものの、対策してみることにしました。「水耕栽培の装置を洗う」「培養液の交換」「スポンジ培地と根っこを洗う」「スポンジ培地の遮光対策」をやってみました!


装置の洗浄

これは簡単。とにかくを取り除くべく、培養液を入れるケースをゴシゴシ洗浄します。


スポンジ培地と根っこの洗浄

野菜の根が張っているスポンジ培地を優しく揉みながら水で洗います。茎と根っこを傷つけないようにやさしく揉み洗いします。完全にはとれませんが、下の写真くらいまではキレイになります。今回はスポンジ培地から出ている根っこにも、がびっしりとまとわりついていました。こちらも水でやさしく洗い流します。




スポンジ培地を遮光する

は光合成で増えていくので遮光することが大切です。スポンジ培地の周りをアルミ箔で巻いて遮光対策します。



こんな感じでスポンジ周りをアルミ箔でクルっと巻いて完成です。

本当は種まきするときにやるべきでした。


培養液を新しく入れ替えて、遮光したスポンジを装置にセットしなおして完了!


さて、対策の結果は??

やって大成功!上の写真が対策前、下の写真は対策してから8日後です。



今回はバジルを育てています。元々バジルはよく育つのですが、対策後1週間ほどでびっくりするほど生い茂っています!!やってよかったー!このあと収穫してバジルソースにする予定です♪


の対策。まとめ

光と水と栄養さえあればほぼ確実に発生するの対策は、水耕栽培には必ずついて回ってきます。でも、きちんと種まき段階から対策をしていけばある程度コントロールできますし、後々の栽培管理もラクになります。の対策をしっかり行い、気持ちの良い環境でおいしい野菜を作っていきましょう!



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1 commentaire


峯澤 秀治
峯澤 秀治
27 mai 2021

光と水と営業さえあればほぼ確実に発生するの対策


営業、はは

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